マハカム川採集記2007&2008V(リコリス・パフエンシス編)


2007年、そして今年の2008年もマハカム川を訪れたので今年の情報も交えてレポートしたいと思う。

Melak(マラッ)の村からLong iram(ロンイラム)方面へバイクを走らせてきたが、今度は逆にMuara pahu(ムアラ・パフ)方面へバイクを走らせてみよう。 雨が降った未舗装路を泥だらけになってバイクは進む。 リコリス大好き人間なら僕がここへ向かう理由はわかるはずである。
Parosphromenus pahuensisを探しに行くのだ。これはわかりやすい! もちろん細かい場所まではわからないが、Pahuの村近辺に生息していることは学名からわかる。

学名で○○ensisと種名についているものは、○○には地名が入る。覚えておくとよいだろう。
例1:リコリス・アンジュンガンエンシス(生息地:anjungan)
例2:チョコレートグーラミィ・セラタンエンシス(生息地:kalimantan-selatan)

リコリスは生態上の特徴から、いくら奥深くジャングルに入って原生に近い川を探しても見つけることは難しい。しかし心配はない。
リコリスの生息場所を探すにはとっておきの○秘テクがある。これが実はすご〜く簡単なのだ。 道沿いにある村の人たちが使うマンディ場(沐浴場)を片っ端からしらみ潰しにしていけばよい。
おおっと!これじゃ○秘じゃないじゃん!
すべてのマンディ場が当てはまるわけではないが、当てずっぽうに川を探すより確立は非常に高い。 なぜなら人間の切り開いたマンディ場の植生がリコリスの生息数を増やしているからである。
これについては別のページで詳しく書いてます。↓
リコリスの生息場所は何故マンディ場なのか!?

じゃあ、早速マンディ場を探索してみましょう!
あっと、ハイ、一発ですね!もうここを探せと言わんばかりのリコリスの生息地です。

ここを探せと言わんばかりのマンディ場

Parosphromenus pahuensisは全体のイメージとしては同属のlinkeiに似ているところがある。 ヒレの色や細かな青白いスポットがオスの各ヒレに散りばめられていることなどだ。 ただlinkeiのように尾ヒレはピンテールにはならず、ラウンドテールである。
また生息地はかけ離れており、linkeiが西カリマンタンのスカマラを中心に生息するのに対し、 pahuensisは東カリマンタンのマハカム川水系に生息している。 単純に直線距離だけで測っても600km以上離れているのである。 リコリスの場合、もうそれだけで別種と考えるのが当然である。

リンケイに似たひれのカラーリングとスポットを持つ、Parosphromenus pahuensis

ここはせっかくなので森の中に入ってみましょうか・・・。

うわ〜!すばらしいクリプト群落が奥の森に!マンディ場見ただけじゃわかりませんね。

黄色の花が鮮やかなCryptocoryne cordataですね♪

思ったとおりにトンボがとまってくれました

赤い葉脈の葉っぱ

ショウガの一種の花

夜になると縁が光るキノコ(モニターを斜めから見ると光る部分がわかるかも)

あ、あんたは!?きのこなの?

あっ〜すごい!黄金のアリ発見!

すんごいトゲ!これはトゲアリの一種だね。しかしかっこええね〜。

小さな花が咲いてるのを見つけました。種類は・・・わかりません。

これはランの一種でしょうか。ジュエルオーキッドっぽい葉っぱですね。

素晴らしい自然が残されていますね♪
住民の方々がこのマンディ場を守っていってくれるとよいのですが・・・

[back]