Hemirhamphodonの生息環境 in Kalimantan

生息域は低湿地帯から山間の上流部まで、またクリアウォーターからブラックウオーターまで様々な環境に生息しています。
PHでいうと5〜6.5くらいの場所が多く、あまりに強い酸性のブラックウォーターは好まないようですが、 それでもPH4というアンジュンガンの川にも生息しているのを見ると、水質への適応能力は幅広いと言えます。
どちらかというと本流筋よりも小さな支流の細流部に多く見られます。 しかも、よくこんな所まで・・・と思うくらいかなり細流奥深くにまで入り込んでいて驚かせられます。
しかし現地のヘミランフォドンの生息地でいずれも共通することは、水がキレイに澄んでいて、なおかつやや流れのある表層に群れているということです。 細流に生息するのは本流のにごり水を嫌うからかもしれません。

クリアウォーターの生息地、川底は白くて細かい砂

こんな石がゴロゴロした所にも・・・中型のバルブもたくさん

こちらはブラックウオーターの生息地

僕がベタを探しながらブラブラしてる時、橋の上から細流を眺めてみると、 表層部にヘミランフォドンが水流に逆らうように上流側に頭を向けて群れているので、すぐに生息を確認できます。
幼魚から成魚まで数匹〜10匹くらいづつ群れていることが多く、そのままジーッと見ていると、 成魚のオスが激しくフィンスプレッディングをしていたり、水面の羽虫か何かを食べようとしたのか、 いきなり水面に跳ね上がったりしたりしているのが観察できます。

僕がベタを探すときは色々な環境の条件を見ながら探します。水の色、流速、川底の様子、 クリプトの有無、周りの植生等々、現地の住民の情報、最後は野生のカンというのもありますが・・・。
実はその中にヘミランフォドンの生息というのが、重要なポイントの一つ、指標の一つになっているんです。
ヘミランフォドンの生息する環境は水の状態が良い証拠、ベタも同じように濁った水を嫌う魚で、 実際ヘミランフォドンとベタは生息場所が重なっている場合が多々あるのです。(どちらかしか生息しない場合もある)
しかしうまく出来ているもので、ベタは流れの緩やかな岸よりの水深の浅い場所に、 ラスボラが上中層に、バルブ、ナマズ類は中下層に、そして表層にヘミランフォドンと住み分けがなされています。

ヘミランフォドンはその特徴的なくちばしの形状と表層に生息するということから、 落ちてきて表層を流されている小昆虫や、水面近くを飛ぶ羽虫などを主食にしているようです。
変わった産卵形態を持っているようですが、現地でその様子を見るのはなかなか難しく、 その点に関してレポート出来ないのが残念ですが、そこはこの仲間の愛好家の生態レポートを楽しみにしています。
といってもヘミランフォドンの輸送はけっこうめんどくさく、輸入される機会もあまりないようです。 僕もこの魚を現地から持ち帰ろうと試みたことがありますが、大きめのサイズだったこともあり、 くちばしが折れてしまい失敗してしまいました。輸送の際のパッキングは、小さめでサイズを揃え表面積を広くとる必要があります。
最近はインドネシアからの魚の輸入が増えているので、ヘミランフォドンの輸入の機会も増えてくるかもしれません。

飼育にはなるべく大き目の水槽(45cm以上)を使用するのがよいでしょう。 小さい水槽だと驚いた時に突進して、ガラス面に口ばしをぶつけて先端を潰してしまいます。 またひどい時には脳しんとうを起こす場合もあります。
水深を深くする必要はないのですが、水草水槽にラスボラ、小型バルブ、クーリーなんかと混泳させると、表層、中層、下層に定位場所が分かれるので現地の環境を再現できます。 また表層に一定の方向に流れをつけてやることによって、水流に頭を向け群れになって泳ぐ姿を観察する事ができます。
エサは生き餌、冷凍飼料、人口飼料とも良く食べます。 生き餌、または冷凍飼料もブラインシュリンプやミジンコなどがよく、アカムシは適しません。
いったん底についてしまうともう食べる事はできませんので、単独で飼う場合は残餌は取り除きます。 人口飼料は浮上性のものを使いましょう。グッピーフードなどの小型魚用の餌、 できればフレークより小さい粒状の物のほうが良さそうです。

時間がかかったわりになんとも簡単なレポートでお恥ずかしい限りです。
最後にヘミランフォドンではないのですが、投網にかかった淡水ガーフィッシュの写真も見てください。

Xenentodonでしょうか?完全淡水エリアです

でかい!上のハンパラでも10cmはあります

TEAM BORNEO

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