S・ヴァイランティはボルネオのカプアス川奥地の湖沼地帯に生息している非常に魅力的な種です。(一部の人にとって・・・?)
何度もしつこく書きますが、派手な赤黒の縞模様を出すのはメスの方です。
TEAM BORNEOはこの魚を少量ですが何度か日本へ持ち帰りましたが、その採集には毎度毎度大変な苦労をさせられます。
ヴァイランティの繁殖という題名をつけてしまったけど、実はまだ繁殖に成功した訳じゃありません。ただ、
ヴァイランティが産卵した!という報告がありました。残念ながら産卵シーンは見られなかったようです。
また結論からいうと産卵はしましたが卵は食べてしまったそうです。
でもこれから飼育する人に何らかの役に立つかもしれないと思ったので、
その飼育データを提供してもらいました。提供者は山口県のKOJIさんです!
テリマカシー マヨマヨ!
ついでにヴァイランティの現地の生息地の写真も載せてしまいましょう!
皆さんが今まで抱いていたイメージと少し違うのではないでしょうか・・・。
これは乾季の時の様子。雨季には手のつけられないほど増水する
水質について
○PH6.5/GH4〜5(一般の水道水、フィルターにピートを入れている)
○水温25〜27度
飼育環境について
○水槽・・・60cm水槽ベアタンク
○レイアウト・・・流木と水草(ミクロソリウムとスプライトがたくさん)
○同居魚・・・チョコグラ4匹、小型ラスボラ4匹
○フィルター・・・外部フィルターと水作エイトを兼用
○餌・・・人工飼料、たまにブラインシュリンプ
同居魚のチョコグラはコンスタントに産卵、繁殖しているそうです。
換水は1〜2週間に一度。5〜10リットルほど換えているそうです。
それじゃあ、このデータからちょっと検証してみましょう。
PHに関しては現地でも6前後なので、問題ないと思われます。
もっとPHの低い所に生息するチョコグラも全く問題なく繁殖しているそうです。
硬度は低ければ低い方がいいと思いますが、R/Oを使っている訳ではないのでこのあたりの数値になるでしょう。
この手の魚はもっと小型の水槽を使いがちですが、60cm水槽というのは水質、水温の安定という面で有利でしょう。
チョコグラがひっきりなしに殖えるというのも、状態のいい水が安定しているということではないでしょうか。
また同種間のケンカやイジメ回避という面からもいい事だと思います。
同じ理由で水草をたくさん入れる、おとなしい同居魚を入れるというのもいい方法かもしれません。
しかしただ隠れ場所をつくるというだけでは、餌を十分に食べる事ができず、やがては衰弱してしまいます。
必要であれば隔離した方がいいと思います。
意外とこのヴァイランティという魚は同種間で争うことが多々あり、そのまま放っておくと弱い個体がつつき殺されてしまう事もあります。
(特に2匹の場合や、体格差がある時など)
メスにアプローチするオス
胞卵し婚姻色を出しているメス
あっ、大事な事を書き忘れましたが、卵を咥えたのはオスだったそうです。
TEAM BORNEOも、現地で卵を咥えた個体を2例採集したことがありますが、
そのいずれもオスでした。やはりチョコグラとは若干の違いがあるようです。
その現地写真があるので公開します。
これが卵を咥えたオスだ!
これからもしヴァイランティを飼う人に少しでも役に立てばいいのですが・・・。
さあ、また南の太陽が呼んでいる・・・ジュンパ ラギ!
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