ブセファランドラ観察日記

小型で丈夫、水中でも水上でも育成できる。石や流木に活着させることもできる。
成長が遅いのでレイアウト水槽の前景〜中景のアクセントとしても最適。いままでの水草とは違う魅力で人気が徐々に上がってきたブセファランドラ。
今回は僕がよく訪れる西カリマンタンカプアス水系の自生地の様子をお伝えしたいと思います。
この属は種類を同定するのが難しく、表記がsp.(ブセファランドラの一種)ばかりになってしまい申し訳ないです。

では、さっそく自生地を見てみましょう♪ まずはシンタンの自生地から。僕が初めてブセファランドラという植物を認識したのがこの産地でした。

Bucephalandra sp."Sintang"の自生地、周りに生えているのはスキスマですかね・・・

Bucephalandra sp."Sintang"の自生の様子

Bucephalandra sp."Sintang"の花、可愛らしいですね〜♪

とても小さな細流の岩の上に群落を作って生えていますね。水はクリアウォーターです。

次にスカダウ南部にあるカユ・ラピスの自生地を見てましょう。
非常に道が悪く急坂が多いので、雨が降るとバイクがスリップしてしまい坂を上がれなくなってしまいます。 カユというのは「木・木材」という意味でここは違法伐採の現場なのです。のんきに撮影をしていたらナタ持って追っかけられました・・・笑

急坂でスリッピーなカユ・ラピスへの道

ジャーナリストに間違えられたのか、ナタを振りかざした違法伐採者に追っかけられるはめに。

カユ・ラピスの美しい川。左手の岸際にはクリプトコリネ・ストリオラータがびっしり。見えるかな?

カユ・ラピスのクリプトコリネ・ストリオラータ

この川の脇に生えていた、これもブセファランドラか?けっこう大きいぞ・・・

ちょっと場所を変えて・・・

こちらは別の川。張り付いて撮影しているのは・・・

Bucephalandra sp."Kayu lapis"です♪すごく小さい!

次はスカダウの自生地の様子です。

見てください、この素晴らしい川を!ワクワクしますね♪ベタ・タエニアータもいますよ。

上流へ上っていくと・・・ありましたよ〜!中型のBucephalandra sp."Sekadau2"です。

うん?葉っぱの縁が通常よりギザギザした株発見!中型のBucephalandra sp."Sekadau3"です。同種なのかな・・・?

うわ〜!水の中からなんか出てきた〜!

うひー、特大30cm級リパン(ムカデ)だ〜〜!あぶね〜・・・

さらに上流へ・・・だいぶ川幅が狭くなってきました。

ありました〜♪Bucephalandra sp."Sekadau1"小型の種類です。流れのある水中の岩場に生えています。

最後にサンガウの自生地へ♪

サンガウの川に生えているブセファランドラの花、中型の種類です。

岩の上のコケが生えて根が張れる場所に生えています。

こんな川です。日本の渓流みたいですね〜。

こうやってブセファランドラのいろんな自生地を見ていくとある共通点に気付くと思います。
必ず、水の流れがかなり速い川または場所で、川岸または川の中の岩場の上に群落を作って生育しています。泥、土の土壌には生育していません。
同じ場所にアグラオネマやスキスマ・ホマロメナなどが生えていることもありますが、アグラオネマやスキスマなどは川岸の土の土壌に生育しています。

ブセファランドラは他にもサラワク州、中央カリマンタンなんかからも報告されています。おそらく同様の環境があればボルネオ全土に自生していると思います。
以外にも(?)ブセファランドラは種類や地域変異が多いようで、カプアス水系だけでも確実に3種類以上は存在しているわけですから、ボルネオ各地を丹念に調べていけばまだまだ違った種類や変異が見つかりそうです。

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