メダンでの宿泊先は決めてなかったが、町の中心部のロスメンにしよう。
部屋は暗くて狭かったが長居するわけじゃないから、便利なショッピングモールのすぐ裏手にした。
僕はお金をルピアに両替し、採集の網を探し回ったりした。
ショッピングモールも結構好きでイロイロ見て回る。
インドネシアでもショッピングモールは日本のデパートと同じように、値段が表示されている。
だからキロいくらとかいうフルーツの値段とか、値段の解りにくいような物の相場を知ることが出来るのだ。
そうやってブラブラしていると突然ものすごい勢いで一人の女の子が息を切らしてやってきた。
「スイマセーン、ニホンジンデスカ〜!?」
こういう風に突然日本語で話し掛けてくるインドネシア人には、半分疑いの目を向けることになるが、この子はそうは思えない。
「ワタシ、ニホンゴベンキョウシテイマス」
スーパーの中で立ち話もナンである。彼女は「ウエデノミマショウ」と下の階を指して言ったので笑ってしまった。
名前はリナといった。下の喫茶店に行くと彼女の荷物が置きっぱなしになっていた。
リナはバックの中から日本語の教科書を取り出した。
彼女は学生で専門は英語のようだったが、日本語にも興味があって勉強しているそうで、日本語は結構な人気があるのだそうな。
リナは毎日このショッピングモールの見晴らしのいい喫茶店に居座って、滅多に来ない日本人を待ち伏せしているんだそうで・・・笑
やっと来た獲物を逃がすまいとエスカレーターを駆け上がってきたのだ。
リナの日本語はところどころ妙な言い回しがあるが、理解できないことは無い。
その夜はリナとリナの友達イラも加わって一緒にナシゴレンを食べにいった。
「明日からアチェに行くんだよ」「サミシイニナリマス、メダンヘキタラメールクダサイ」
なかなか二人ともいい子だったなあ。